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化学兵器概観

潜在的化学兵器
――監視下に置かれ続ける若干の潜在的開発の概観


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潜在的化学兵器

情報源:化学兵器に関するFOA要旨説明本

重大な長期的脅威は、活性炭素に不完全に結合した物質にあるかもしれない。保護マスク・フィルターを通るよう、物質は小さく、無極分子でできていなければならないが、それは不安定性が高い。これは大気中に致命的な濃度を保つことが難しいことを示している(例えばシアン化水素と比較せよ)。一方で、それは小規模での活動不能化効果を成し遂げることができる。例えば、すでに保護されていた部隊に対する破壊活動を行なうために。

最新保護マスクを透過する能力のある物質が生成できるなら、保護を改善するための研究も強化できるということである。そのため、例えば保護マスクのフィルターを透過できる新しい物質をよく吸収する新しい物質や、破壊する物質も開発できる。もしこれに成功すれば、脅威はかなり減少している。

生物戦剤と化学戦剤の境界線は、生物工学における急速な発展の結果として意味がなくなり始めている。これは主に生物工学に基づいた剤の領域の出現によるものである。生物工学は、新しいタイプの物質の大規模生産を可能にした。以前は作り出すことが難しかった自然界の有毒化合物、例えば毒素やバイオレギュレーターも、現在、大量に製造できる。これらの物質の多くは、神経ガスの毒性を一ケタ上回っている。

生物工学は、バクテリア、ウイルスなどの改造型を作り出す機会を提供した。人間が免疫防衛力を持っていない新しいバクテリアあるいはウイルスが作られるように微生物の遺伝子を修正できる。さらに、バクテリアは、それ自体が体内で増殖する間に毒素を作り出すことができるように変更できる。比較的純粋な毒素では、ごく少量のバクテリアだけでも完全な効果を成し遂げることが必要とされる。

生物工学に基づいてさらに兵器を開発する大きな機会がある。ある毒素と物質が体の中で引き起こした構造作用関係を研究するなら、修正されて、いっそう活発な物質を開発することが可能である。たとえばガン研究の結果、細胞表面上の受容器の知識から、選択された器官を有毒物質の標的とできるようにもできる。

今日、生物工学に基づいた兵器は恐らくまだ研究段階、発達段階にある。長期的にこれらは重大な脅威になるかもしれない。このような物質に必要な要素は以下のとおり。

  • 非常に低い濃度で活発である
  • 診断・治療が難しい中毒を起こすことができる
  • 体内で完全に破壊できる
  • 通常、医療保護と治療のための解毒剤がない
  • 環境内で検出するのが難しい

それらの使用が生じないようになる要因は以下のとおり。

  • それらの役に立つ範囲がたとえば破壊活動などに限定されている
  • 適当な物質が酵素システムによって消化管と肺で急速に分解される
  • 空中からの曝露は、呼吸器保護装置の使用によって容易に止めることができる(たとえ、この曝露方法が大きい分子にも効率的であったとしても)。


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