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情報戦とは何か

第10章Sample

要約

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 戦いのさまざまな形態と下位形態について、どれが現実的であり、合衆国がどれに優位を持っており、どれが新しく、それぞれどれだけ効果的かということについてまとめた。

(i)どの戦争が現実的で、どれが理論的に組み立てられたものか(まだ存在していないのはどれか、もし存在していたなら、戦いの定義を広げることはできたか)? 一般的に認められている戦争――国権・行動・財産(たとえば領土)を統制するための二つの勢力のあいだでの破壊的・超法規的戦い――はどれなのか?

 戦いの現実の形態は、指揮統制戦・電子戦・諜報基盤戦・心理学的作戦のもとのすべてを含む。戦いの論証可能な形態には、技術帝国主義を含めた国家の意思や文化に対する心理学的作戦がある。ハッカー戦、情報封鎖、情報テロ、意味攻撃は、戦いの潜在的な形態である。最後に、シミュレーション戦とギブスン戦は、近い将来にはなさそうだ。

(ii)合衆国はどのようにして未来のプロトタイプ的な洗練された敵(たとえば、電子装置と技術的才能に対する全世界的市場へのアクセスがある中程度の収入のある国)に対処するのか?

合衆国は、電子戦のなかの反レーダーと暗号法、攻撃的諜報基盤戦、司令官と軍隊に対する心理戦、架空戦については強力である。文化戦(kulturkampf)と情報の流れを封鎖することについても、明らかに優位に立っている。合衆国は、指揮統制戦・防御的諜報基盤戦、ハッカー戦、技術帝国主義、ギブスン戦が起こったときには、強力だが無防備でもある。合衆国は、国家の意思に対する心理戦、情報テロ、コンピューター網に対する意味攻撃に対しては無防備である。

(iii)以下の表は、これらの形態のどれが全体または部分的に新しいのかを示したものだ。また、これはそれぞれの情報戦の防御に対する有効性も概略的に述べている。

 

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表1。情報戦――何が新しいか、何が効果的か


形態 下位分類 新しいか 効果の程
C2W
指揮統制戦
対頭 司令官よりも指揮システムが目標。 分散と複製の新しい技術によって、明日の指揮センターは守られそうである。
対首 堅固に敗戦された通信リンクが重要。 新しい技術(冗長さ、効率的エラー暗号化)は、ビットの流れが減った中でも作戦行動できるようにする。
IBW
諜報基盤戦
安くなればなるほど、目標探索システムに多く投資されうる。 合衆国は探索システムの最初のシステムを作るだろうが、ステルスは別として、隠すことにはほとんど注意が払われていない。
EW
電子戦
対レーダー 第二次大戦ごろから。 発電装置と収集装置が離れることは、一体化システムよりも攻撃に生き延びやすい。
対通信 第二次大戦ごろから。 スペクトル拡散・周波数転移・方向アンテナは、すべて通信が通過するだろうと暗示している
暗号法 現在、デジタル暗号作成は簡単になっている。 新しい暗号作成技術(DES, PKE)は、暗号解読より暗号作成のほうが簡単。
心理戦 対意志 No. プロパガンダは、Me-TVよりもCNNに最初に適応しなければならない。
対軍 No. 宣伝技術はDBSとMe-TVに適応しなければならない。
対司令官 No. 詐術の基本的な計算法は依然として難しいものでありつづけるだろう。
文化闘争 古い歴史がある。 文明の衝突?
ハッカー戦 Yes. すべての社会は潜在的に無防備になりつつあるが、よい戸締まりでシステムを安全にできる。
経済情報戦 経済封鎖 Yes. 今のところ、情報の流れに広い分野で依存している国は非常に少ない。
技術
帝国主義
1970年代から 貿易も戦争も競争だが、貿易は戦争ではない。
サイバー戦 情報テロ 汚いリンネルは汚いリンネル、それが紙でもコンピューター・ファイルでも。 脅迫は、強力なプライバシー法のよい理由となりうる。
意味攻撃 Yes. 時期尚早。
シミュレー
ション戦
仮想現実に近づく シミュレーション戦ができるほど両陣営が文明化されていたら、そもそもなぜ戦うのだ?
ギブスン戦 Yes. SFの素材。

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